けがもなんのプリマ旦那NHK上方漫才で2位に
ピン芸人がVしたことで論争となっているNHK上方漫才コンテスト。
でもその内容を見ていくと惜しくも敗れたプリマ旦那の存在感が際立っていることがよくわかりました。
2年前にはけがをしたとかで芸能人生も危ぶまれていたプリマ旦那でしたが、このコンテストで見事復活。
準優勝でこそありましたが、ピン芸人論争で実はますます注目されてくるのではないかとにらんでいます。
と、ピン芸人論争がどうであったのかといいますと、まず考えるべきがNHK上方漫才コンテスト。
これは、毎年春に開催される若手上方漫才家のための演芸コンクールなのです。今でこそ年度によりますが、2月最終金曜日、または3月の第1・2金曜日のいづれかにNHK大阪ホールで生放送しています。
その内容は、一般的なコンクールと同様に出場コンビがそれぞれ漫才ネタを1本ずつ披露し、全部の演目終了後に審査員の厳正な審査、最優秀賞(初期は優秀話術賞)1組、優秀賞2組(当初は優秀努力賞と優秀敢闘賞をそれぞれ1組ずつ)を決定していました。ジャンルは制限されておらず、コントや漫談なども参加できるフリースタイルな大会でした。
しかし2010年ごろからいろいろと規則が見直され、今のスタイルになりました。
そんな伝統のあるコンテストでしたが、ダークホースだったゆりやんレトリィバァ(26)が優勝してしまったのです。
このコンテストは「漫才」と銘打っているため、ネットでは「漫才なのにピン芸人が優勝?」ということで話題となったわけです。
プリマ旦那のほうは、決勝進出が決まった時点で、優勝してこのコンテストから卒業するとまで言っていただけに、心残りになるものがあったのではないでしょうか。
しかしこのゆりやんレトリィバァとはいったいどういう人なのかが気になりました。
芸歴3年目という異例のスピードで優勝した彼女でしたが、2013年には吉本興業の養成所NSCを首席で卒業するなど、お笑い界きってのエリートとして評価は高かったということで、決して突然出てきたわけではなかったようです。
時代とともに漫才も変化か!?
NHKの佐橋陽一チーフ・プロデューサーは、「漫才イコールお笑いのコンテストというところで、ピン芸人もコントも含め、一番面白く、将来性もあると見込んだ6人に(本選に)来ていただきました」と説明しています。「しゃべくり漫才」が少なかったのではとの質問には、「しゃべくりそのものより、お笑いの見せ方が多様化している。コントやフリップ芸も含めて新しいお笑いが出てきている」との見方を示したことも今回の結果に納得できる部分となりました。ピン芸について「しゃべくりに負けず劣らずの面白さがありますし」と述べ、漫才・ピン芸ともに紹介していきたいと意図を説明しています。
そして、佐橋氏は漫才にこだわるどころか、漫才と入る番組名の変更すら検討していたと明かしています。つまり、お笑い全般をも取り込む覚悟で臨んでいたということなのかと実感させられました。ただ、「軽率に今の空気だけで『お笑いコンテスト』に変えるのも歴史を否定するようでもったいない」47回という歴史の重みについても触れています。
しめくくりとして佐橋氏は「応募される方に合わせて中身そのものも変わっていくということでいいんじゃないかな」と時代に合わせて変化していくことの意義をのべています。
近年ではピコ太郎のようにある日突然時の人になっていたというパターンが、ネットの普及で多くあらわれるようになりましたが、テレビ業界でも変化を入れることで生き残りをかけているのかもしれないと思いました。