叶野善信さんろうそくで生活するほど困窮な経歴とは
27日午前5時半すぎ、那珂市の叶野善信さん(82)の住宅などが全焼し、焼け跡から叶野さん夫婦と高校1年の孫とみられる3人の遺体が見つかりました。
住宅などが全焼し、3人が死亡した火事で、明かりとして使っていたろうそくが火元になった可能性があることがわかりました。
居間や玄関などが激しく燃えていたことがわかっていますが、その後の調べで、叶野さんの住宅の電気が数日前から止められ、夜はろうそくで生活していたことがわかりました。
警察は、ろうそくが火元となった可能性もあるとみて、28日も実況見分をして出火の原因を調べています。
叶野善信三を知る人たちの話によると、
「真面目な人。突然のことで、何と言ったらいいかわからない…」
とそんな真面目できた経歴の持ち主がなぜ、と疑問が出てしまうような状況だったようです。
連絡が取れない善信さんの妹(80)は兄についてこう語り、声を詰まらせた。善信さんの妻、美津子さんの姉(83)は、同じく連絡がつかない妹のことを「おとなしくて真面目な人。野菜作りが好きで、夏にはスイカを作って兄弟に配ってくれた。びっくりしている」と困惑気味に語っていました。
通行人から110番通報があったのは、27日午前5時40分ごろ。心配で様子を見に来た近所の人からは不安の声が上がりました。
「おじいちゃんとおばあちゃんの姿が見えない。 中に取り残されているんじゃないか」
炎で周囲は昼間のように明るくなった。パチパチパチ…。近隣の女性会社員(37)は家屋が燃える音で目が覚めた。「物が倒れるような音や何かが破裂するような音がした。4~5メートルほど炎が上がり、怖かった」と声を震わせたそうです。
現場には鎮火後もすすの臭いが漂い、骨組みがむき出しとなったその姿は、いかに炎が激しかったかをうがわせています。