肝臓移植から奇跡の復活 自転車界のエース「宮澤崇史」と母、純子さん ~奇跡アンビリーバボー~
196.8kmの過酷なレース、先頭集団わずか5名の中にその姿はあった。
宮澤崇史だ。
そう、それは2010年の自転車ロードレースの全日本選手権。
日本の頂点に立ったその瞬間、それは普通の頂点ではなかったのです。
なんと、母:純子さんのために生体肝移植を受け、復活したのです。
それは2001年のこと、母が病に倒れ、生体肝移植しか助かる見込みがないとの宣告を医師から受け、すでに自転車界のトップレーサーだった宮沢崇史さんは移植の決断をする。
自分の肝臓を約3分の1提供、手術は無事成功しましたが、手術で腹筋を切断、肝臓は完全に元の大きさに戻るまで2~3年、さらに腹筋が致命傷で選手生命は終わりだと思われていました。
ところが、そこから血のにじむような練習を重ねます。
一日3時間という時間を腹筋を鍛えるために費やし、しかし、所属チームで結果が振るわず解雇までされてしまうのです。それでも場所を変えて練習を積み重ね、2010年に見事に日本一になったのです。
母、純子さんへの愛情を忘れず奇跡を起こした彼の姿には非常に感動しました。
崇史さん自身父を6歳の時に亡くし、それ以来純子さんに女手一つで育てられてきました。自転車というのは非常にお金のかかる競技のようですが、息子を信じ続けて協議をさせてくれた母、やっと手にした自転車を乗りこなし、頂点を極めた息子。今でもそんな親子像が存在するのだとちょっとうれしくなりました。