アナログ24時

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「イスラム国」による後藤さん殺害で危険度が増す近隣国「中国」

テロによる後藤さん殺害の事件で、過激派組織「イスラム国」の影響は今後どこに及ぶ可能性があるのか。

今回の一件でわれわれ日本人はもはやこの遠く離れた地域で起きているテロ活動は他人ごとではなくなっていると思います。

日本国内にいると「イスラム国」のにおいは全くと言っていいほど感じられませんが、実は近隣諸国で今後危険地域になる可能性があります。

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この勢力図は今後拡大してしまうのか!?

 

それはお隣「中国」です。

56の民族が結集して1949年から今の形としての国家を形成して、今や世界第二位の経済大国にまで成長しましたが、実はその土台は非常にもろいとも言われています。

この56の民族の中には「ウイグル族」という中国の西部中心に生活をしている民族があります。彼らの中の多くはイスラム信者であり、見た目からして今回のテロリストたちの中東地域の顔だちをした人たちが約2000万人もいるのです。

昨年だけでも中国の代表的なテロは北京の天安門昆明ウルムチ駅爆発事件、など、全土で日常的に起きるようになってきている。中国政府はこれら一連の事件を、「新疆ウイグル分裂勢力」が関係したものとして扱っていますが、彼らはイスラム教徒でこの過激な手法は「イスラム国」と通じているものがあります。

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ウイグル自治区は中東の玄関口「イスラム国」とは地続きの位置にある

 

中国は、ウイグル地区によるイスラム教徒の弾圧には力を入れており、その結果、多数のイスラム教徒が国外へ逃亡してしまっている。その中には「イスラム国」へ合流している者もあり、確認できているだけで数百人ともいわれる情報がある。

そんな彼らが「イスラム国」で学習し、報復テロを起こすとも限らない。いや、いま中国で起こっているテロはすでにその影響が出ているのではないかと示唆できます。

 

私自身は中国へ通算して5年以上駐在しましたが、イスラム教徒が多い新疆ウイグル地区からは遥か数千キロ離れた、日本人がたくさんいる上海や北京のような大都市でもイスラムを感じることができる。

その一つとして今や中国で全国区となっているイスラム教徒が開くラーメン店だ。

「蘭州拉面」と呼ばれるラーメン店はどこでも街角で見かける。ここの人たちは全くの善良市民であり、私もなじみの店があるくらいですが、店内にはイスラムの言葉でいろいろ書かれてあり、決して日本では見ることのできない光景が体験できます。

そのほか、道端でよく羊の串焼きを売っている屋台がありますが、その店主の多くもウイグルからやってきたイスラム教徒です。

いつの日か、こういった人たちに紛れてイスラム過激派組織が上海や北京などの大都市のいたるところに点在してしまう危険性は無視できません。

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中国全土でみられる「蘭州ラーメン」 

それから危惧しているのは、中国の90%以上は「漢民族」ですが、残りの少数の55の民族の人たちは「漢民族」と同じ主権がない点です。私自身中国で会社を作り、従業員の雇用をしてきた経験がありますが、「漢民族」社員からは「くれぐれも漢民族以外の社員を雇用しないように」と、くぎを刺されたことがあります。その理由として、中国での主権が保障されていないために、何か事件が起きた時誰も責任を取ってくれないのです。これがどこまで本当かはわかりませんが、確かに他の民族主体の都市においてすべてにおいて「漢民族化」された状況になっている点は感じることができました。

 

今の中国は歴史的にみると近代の中では珍しく、侵略による国家形成を成していると言えます。ですから、それに敵対する勢力も必ず存在しますし(今のところは抑止できているようにみえる)、今回の「イスラム国」の事件が飛び火しないとも限りません。

 

中国には、平和ボケした日本人が何万人も住んでいます。

もしも、有事の際、この人たちはどうなるのでしょうか?

アメリカについてはすでにこの危険性を加味して現在中国へ赴任するアメリカ人は限りなく少なくなっています。また、仮に有事の際にはアメリカ人だけの救助を目的とした航空機が飛んでくる用意ができているようです。

一方の日本はといいますと、先日ある大手企業の方と話をした時のニュアンスとして「赴任の際は逃げるルートを確立したうえで赴任してくださいね」という立場のようです。と、いうのも今の日本の状況では有事の際、そんなに迅速に国は救助のための出動ができないためです。

従って、この点に気づいている企業は今後邦人の現地駐在員を減らしたり、完全に現地化してしまうなどの対策をとっていることでしょう。

 

インターネットで情報が瞬時に世界へ発信されるのと同様、今のご時世は様々な予測できない事件が日々発生しています。この点は現実問題として我々も日々関心を持ち行動をすべきであると考えます。