ジオン(ザイオン)・ハーベイ君、僕の両手が戻ったよ!
同じような人たちに新たな希望を与えるだけでなく、医学界にとっても大変うれしいニュースが入ってきました。
米ペンシルベニア州フィラデルフィアの小児病院は28日、8歳の米国人少年に対する両手の移植手術に成功したと発表しました。
両手移植を受けた患者としては最年少ということです。
出典:AFP=時事
手術を受けたのはメリーランド州ボルティモア生まれのジオン・ハーベイ君。感染症のため両手と両足の切断を余儀なくされ、腎臓の移植手術も受けており、苦難の中ようやく両手が戻ってきたというような状況です。
手術は40人の医師や看護師らで構成するチームが、約10時間をかけて実施。まず最初に骨、次に血管をつなぎ、血流を確認した上で、けん、筋肉、神経を接続したということです。
ハーベイ君は毎日、拒絶反応を抑える治療を受けている。医師団によれば、数週間で自宅に戻ることができる見通しです。「自分の手でフットボールを投げるのが楽しみ」と話しているそうです。
両手が再び戻ってくるなんて一度なくなってしまえば想像ができないようなことです。手術にしても莫大な数の神経、血管、筋肉をつなぎ合わせていくのですから医学も大変な進歩です。
今回手術を受けたジオン・ハーベイ君は2歳の時に両手を切断せざるを得ない状況でした。まだ物心もつかない頃だったので、両手が無いということが当たり前になっていたかもしれませんが、世の中を見渡すと皆手があります。そういう意味では非常にコンプレックスを感じながら生きてきたのかもしれません。
夢にまで見た両腕、数週間後にはリハビリが始まります。物をつかむという感覚、動かすという感覚、これまでになかった感触を確かめながらひたすらリハビリの日々が続くことでしょう。
ジオン・ハーベイ君の母バルチモア・サンは語っています。
「この子が望んだからできたこと、もし望まなければ手術もできなかったでしょう」
医学界でも史上最年少での記録にとても喜んでいます。
しかし、ジオン君にとっても医学界にとっても新しいスタートラインに立ったばかり。
これからの動向を注目していきたいと思います。