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太田雄貴が快挙、4億円の代償

フェンシング界といえば、この人物しか思い浮かばない。

フェンシングの世界選手権は16日、モスクワで行われ、2008年北京五輪銀メダリストの太田雄貴(森永製菓)が男子フルーレ個人で初の金メダルを獲得しました。
 日本選手が五輪を含めて世界大会で優勝したのは初めての快挙です。
 太田は準々決勝で、12年ロンドン五輪金メダルの雷声(中国)に勝ってメダル獲得を決め、準決勝でゲレク・マインハート(米国)を15―9で、決勝ではアレクサンダー・マシアラス(同)を15―10で破りました。
 太田は団体で銀メダルを獲得したロンドン五輪後に休養し、一昨年に復帰し、仁川アジア大会の団体で、日本に40年ぶりの金メダルをもたらしたのです。 

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快挙を遂げた太田選手 出典:http://www.oricon.co.jp/

 

 ところで日本のフェンシング界の実態はご存知でしょうか?

 日本のフェンシングが注目され始めたのは、2008年北京五輪で男子フルーレの太田雄貴選手が銀メダルを取ったころからです。協会は余勢を駆って、エペ、サーブルでも本場欧州からコーチを招き、押しなべて強化する勝負に出たのです。このころの協会予算は4億円程度、それに対して11、12年度に組まれた強化費は計約1億8千万円。厳しい財政事情の中でも「(メダルを取って)認知度を上げることに力を入れた」と山本正秀常務理事はいっています。強化選手が東京都内で長期合宿に入った11年1月に、協会が不足額として上げた数字が約6千万円ありました。ロンドン五輪の男子団体銀という見返りは得たが、失ったものも大きいのです。

 予算4億円というと莫大な金額のように感じますが、力のない競技こそ、いろいろな人を招へいしたり、選手を強化していかなければなりません。その中でこの予算は決して多くはないのです。しかし、結果的に限られた予算でも金メダルへとつながったことはフェンシング協会首脳陣の手腕がただものではないことがわかります。

 太田選手を中心として、第二、第三の世界に通用する選手が出てくれることを期待します。