アナログ24時

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「墓じまい」費用とお布施と檀家の現実

つい最近身に起こったことに関連して大変興味深い記事を目にしました。

人間生まれてくれば誰でも死ねというのは定めですが、「墓じまい」とお金との問題が絡んできている現実があると感じたのです。

 記事によると、墓の解体・撤去、引き取りを専門に行っている安養寺クラシック(越前市)の「合祀(ごうし)場」の紹介がありました。代表の平林徹也氏によると「8年ほどの間に県内各地から集まった」とのことです。受け継ぐ人がいない墓を撤去・解体し、遺骨を共同墓などに移す「墓じまい」が県内でも出始めているそうです。

 さて、このような記事を目にして目の当たりにしている問題は、今のお寺の檀家を続けるか否か。無視できないのがやはりお金と現代特有の事情によるものです。

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お墓に対するこんな姿勢が薄れていくのであろうか・・・

 

 理由を挙げていくと、一つは高額なお布施の維持ができるかどうかの問題です。

我が家の墓はなんでも江戸時代から今の場所にあったようですが、寺が国宝であるためいろいろと格式が高いらしいということです。

 それがどういうことか、近日、身内が亡くなったため、そのお寺へいろいろとお願いしたわけですが、その際に発生する費用に愕然としたのです。戒名からお布施、法事に至るまでの費用が自分の常識を超える額面だったのです。

 もちろんそれだけ由緒正しいしっかりとしたところだというわけですが、生活を考えるととても現実的ではないというわけです。しかし、ご先祖様は代々そのお墓を守られてきたというわけで私の代で終わりにしてしまうのもまた、ご先祖様に申し訳ないという気持ちなのです。

 

 それから、もう一つは今の住まいとお墓との距離が非常に離れているという点です。

もちろん、墓参りには定期的に行きますが、それでもいろいろな法要や行事を考えるととても今の親世代のようには参加ができないのです。

 

 こんな事情でやむを得ず「墓じまい」を考えるケースもあるのではないでしょうか。

 

 墓じまいの業者さんでは、1~2年間は仮安置して合祀場に移すということです。墓じまいを知らされていなかった親族とのトラブルを避けるためで、合祀場では、地元の僧侶に来てもらい、毎年法要を営んでいるということのようです。

 実際に「墓じまい」にかかる費用を調べてみたところ、まずは墓石解体にかかる費用について、1平米あたり10万円程度かかるようです。

 さらにはこれまでお世話になったお寺様へ最後のお布施が必要になるようです。一般的には数万円程度のようですが、お寺によってはここが大きく異なるかもしれません。

有名どころのお寺ですとまずその数倍はかかる可能性があります。

 

 若いころに進学や就職で県外に出た70代前後の人から、県内に残った親が亡くなった際に墓じまいを依頼されるケースが多いのが現実なようです。また、多くは自分たちが徐々に墓参りが難しくなり、子どもにも世話を任せられないのが理由ということで、現代特有の事情とも考えられます。

 

 一番の問題は墓の放置でしょう。

 おそらく、身内の方々が何らかの事情でいなくなってしまったか、もしくは、金銭面の問題で放棄してしまったというケースもあるのではないかと思います。

 
 墓を解体した後、土台などは細かく砕いたり加工したりしてリサイクルされるということです。しかしながら、仏石は先祖が宿り、多くの人が手を合わせてきたものであるからこそ、なんとか存続させるのが一番であるのではないかと思います。

 

 日本では、高齢化がますます進み、それに伴い、お墓の問題もますます顕著になってくるのではないかと思います。身内の中には「散骨を」という意見もきかれましたが、今後子孫の墓に対する意識が薄れるのであればそういった方法が一番世の中にとって負担のない形かもしれません。

 

 生きててもお金、死んでもお金、最近の出来事で、なんとなくそういう現代の一面を痛感する結果となりました。