大学卒でもない又吉直樹の作品がノミネートのわけ
人を魅せつける小説はどうしたら書けるのでしょうか!?
第153回芥川賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日に行われます。今回は、お笑いコンビ、ピースの又吉直樹(35)のデビュー作「火花」がノミネートされたこともあって、例年以上に賞の行方に関心が集まっています。
見た目は確かに作家のよう 出典:http://hon.bunshun.jp/
又吉の経歴を探ってみるとその学歴が特別すごいものでもないのです。
特に大学卒業もしておらず、最終学歴は高校卒。
しかし、今回の又吉の小説がノミネートされた理由はちゃんとありました。
幼少のころから国語力は相当なものだったようで、国語の実力テストの知能偏差値75で全国トップになったことがあるのです。
また、趣味は散歩と読書で、通算2,000冊以上も本を読んでおり、活字が躍りだす夢を見るほどの読書家だったのです。これが又吉自身の活字力や想像力を豊かにした要因で、自然と一流の作家のような文章力がついていたのです。
さらに、過去の芥川賞ではミュージシャン、辻仁成が「海峡の光」、同じく町田康が「きれぎれ」でそれぞれ受賞しているが、お笑い芸人の受賞はまだないだけに期待が寄せられているのです。
「秋風が吹く文学界のためにも受賞すればいいニュースです。受賞がないこともない。ただ、それは単独受賞ではなく、受賞作が2作なら滑り込むといった感じでしょう」と文芸評論家の伊藤氏貴・明治大学准教授は冷静に分析しています。
その理由として、「ノミネート作の中では『火花』は極めてオーソドックス。芥川賞は新人賞でもあるので、斬新さを推すならば、内村薫風さんの『MとΣ』が大穴。島本理生さんや羽田圭介さんが本命となるでしょう。となると、賞の性格上、又吉さんの単独受賞は難しい」と指摘する声もあります。
でもここまでの道なりはそう簡単ではありません。
才能発揮の又吉さんには結果がどうであれ次に向けて素晴らしい作品を書いてほしいものです。