アナログ24時

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村上絢氏、黒田電気相手に手腕発揮

バブル期を駆け抜け耐え忍んだ時代を経て、今株も次の世代へと交代しつつある。

2000年代に物言う株主として市場に風雲を巻起こした「村上ファンド」。経営者に企業価値の向上を直接迫る手法は道半ばで挫折しました。時代は流れ、今や政府主導で企業の経営効率改善の動きが進む中、村上世彰氏の思いは長女の絢氏に受け継がれました。

 

村上絢氏(27)が最高経営責任者(CEO)を務める投資会社C&I Holdingsは6月、液晶部材や車載電装品などを扱う電子部品商社の黒田電気に対し臨時株主総会招集の請求を行い、世彰氏ら4人の社外取締役の選任を求めたのです。同社の業績面の実績を評価する一方、資本政策や企業の合併・買収(M&A)を活用した成長戦略という点では改善の余地があるとみているためです。

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最終決定は村上世彰氏にあるのか!?  出典:http://ceron.jp/url/www.bloomberg.co.jp/

黒田電株主の5割近くは外国人投資家という点に着目し、「少数株主にもアプローチし、賛同の意見をもらっている」と絢氏は語っています。C&Iは現在、関係会社や世彰氏らの保有分も合わせ発行済み株式総数のおよそ15%に当たる黒田電株を保有しています。創業家で元社長の黒田善孝氏は文書で、C&Iが提示した社外取締役候補について「黒田電気の変わらない状況を打破し、より強くて良い会社に変えていくであろうと信じるに至った」と賛成する意向を示したのです。

一方、黒田電は10日、16年3月期の年間配当計画を1株36円から94円に引き上げると発表。今期から18年3月期までの株主還元方針も示し、純利益の50%相当分に対し配当性向を30%とし、残りの50%相当分は経済情勢や資金需要を勘案しつつ、配当性向を50-100%の間で決めるとした。8月28日に臨時株主総会を開催し、C&Iらの社外取締役選任議案に反対する方針も同時に表明しました。

 

まだまだ若い絢氏ではありますが、企業の株価をいかに吊り上げ、大きな投資家へ投資させてゆく、この根本を根付かせるために始まった新たな世代の挑戦はまだこれからが楽しみです。