アナログ24時

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パルミラ遺跡にISの恐怖

昨年から続く「イスラム国」の悪事。

いったいいつまでこういうことをすれば気が済むのでしょうか。

在英のシリア人権監視団は21日、過激派組織「イスラム国」が世界文化遺産に登録されたシリア中部パルミラ古代ローマ時代の遺跡群がある地域に、地雷や爆弾を仕掛けたことを発表しました。
 地雷などは20日に仕掛けられたようで、遺跡の破壊が目的ではなく、シリア政府軍によるパルミラ奪還作戦を防ぐための措置である可能性も考えられます。
 同組織は5月にパルミラを制圧し、遺跡群を支配下に置いています。「イスラム国」はイラクの支配地域で貴重な遺跡を次々と破壊していることから、パルミラ遺跡も危険な状態に置かれている可能性があるのです。

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パルミラ遺跡とは

パルミラ遺跡はシリアの首都ダマスカスから北東へ約230kmのところにあります。ナツメヤシの緑に包まれ、パルミラの名もギリシャ語でナツメヤシを意味する「パルマ」が起源といわれ、広漠たる砂漠の中に建設されたオアシス都市でした。紀元前1世紀にローマ帝国の属州となり、中国とヨーロッパを結ぶ東西交易路の中継地として発展し、2世紀にペトラ(ナバテア王国)が衰えると、通商権を受け継ぎ絶頂期を迎えます。

267年になると、総督オダエナトゥスが暗殺されたことがきっかけで、妻のゼノビアは息子を皇帝に擁立、自ら皇妃と称しパルミラ王国を打ち立てます。ゼノビアクレオパトラの末裔を名乗る美しい女性で、政治にも長けていましたが、272年にアウレリアヌス帝の遠征により捕えられ、パルミラの街は陥落しました。シルクロードを行くキャラバンでにぎわい、商人たちを楽しませていた円形劇場も、浴場も廃墟となってしまいました。

15世紀に築かれたアラブ城砦からは、世界で最も美しい廃墟のひとつといわれるパルミラが一望できる景色が有名です。パルミラの主神を祀るベル神殿や列柱道路などの都市遺跡は、1世紀から2世紀に建造されたと推測されています。遺跡の西に広がる墓の谷では、さらに古い紀元前3世紀ごろからの塔墓や地下墳墓も発見されています。

夕陽に染まる姿が美しく、商人たちは別名で「バラの街」と言っていたのは、美しい女性が治める美しい街を掛け合わせていたのではないでしょうか。

 

IS(イスラム国)の遺跡の破壊行為は今に始まったことではありませんが、先日は同じく世界遺産であるハトラ遺跡を破壊しました。

これらの行為を平気でできる背景には、「イスラム国」はイスラム教の教えである偶像崇拝の禁止を極端に解釈しているためです。

また、破壊だけでなく、これらの遺跡を回収してはコレクションしている人たちに売りに出し、重要な資金源にしている模様です。

どうやらイスラム国単体の問題ではなく、それを支える何らかの団体や組織の存在が示唆され、今後より一層の注意が必要となりそうです。