アナログ24時

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ブラッター独裁政権の終焉、FIFA会長が辞任した本当の理由

夜中に衝撃的なニュースが飛び込んできました。

サッカー界の大御所とも言われるFIFAブラッター会長が辞任するというのだ。

幹部らが多額の賄賂を受けとっていたとされる事件で、国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長は2日、スイス・チューリヒで記者会見を開き、会長辞任を表明しました。

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辞任発表のブラッター会長 スポニチアネックスより


 ブラッター会長は1975年にFIFAに入り、81年から事務総長、98年から会長を務めている。5月29日の総会で5選を果たしたばかりでしたが、「FIFAの利益を考えて、この決断をした」と話しました。いや、この記述はちょっとおかしいのでは!?

「己の損失を最小限に抑えて余生を穏やかに過ごしたい」というべきかもしれません。

 2015年12月から16年3月までの間に臨時総会を開き、会長選を行う予定とのことですが、今回逮捕されたFIFA副会長や理事など10数人について彼らこそブラッター会長の側近中の側近と呼べる人物ばかりだったのです。

 

 もともとFIFAはアマチュア的で、サッカーで利益を求めない団体でした。ところが第2次大戦後にプロ化していったサッカーを取りまとめることになりました。それでも当面は社会奉仕、利益還元という大義名分のもと運営を行っていましたが、ブラジルの実業家アヴェランジェが出てきたころから急激にお金との癒着が強くなってきたのです。

 この実業家は「サッカーを事業化することで大きな利益を生むことができる」と唱え、次々と民間のスポンサーと契約を結びFIFAの大きな財源を確保することに成功しました。

 そしてこの財源こそが大きな派閥を作る原因ともなっていったのですが、そういった長年の蓄積が今のブラッター体制を構築することになったのです。今回FIFA幹部10数人が逮捕されたにもかかわらず、その後の会長選で再びブラッター氏が再選されたのは要するに対抗できる人がいなかったということです。既にブラッター氏抜きではFIFA運営自体が難しいということでしょう。それくらいFIFAブラッター派閥が大東してほぼ独裁のような状態になっていたのです。

 しかし、ブラッター氏は再選されはしたもののあたりを見渡すと側近が誰もいない・・・。これでは自身に被害が及ぶのは時間の問題。世論もなにやらがやがやと騒ぎ出していますし、今なら辞め時だ。事態は一転して辞任の発表となりました。

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ブラッター体制の構図 ロイター通信より

 この構図なんだか今の日本にも似ていますね。今や力を付けた安倍政権に対抗できる政党がなくなり、でも安倍首相が辞任するとそれはそれで困る。FIFAも同じような状況ではないでしょうか。

 しかし、今回のFIFA会長辞任においてこの際今の悪い体質を断ち切ってほしいものです。会社でも同じ、倒産後民事再生により復活している企業は多々ありますが、古い経営者がそのまま残って運営を行うと結局うまくいかずに数年後には再び倒産というような事態が起こっています。

 

 今度の動向に注目して、サッカーの未来に向けてもっと革新的な主導権(リーダーシップ)を持って貢献していくことを期待したいと思います。