アナログ24時

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蘇炳添(中国)とは? 陸上男子100mアジア(黄色人種)初9秒台を出した男

男子陸上短距離界にとっては屈辱のニュースが入ってきました。

黄色人種のアジア勢で初の9秒台が出たのです。

その選手はもちろん「桐生」と思いきや、お隣中国の「蘇炳添」という選手でした。

追い風1.5メートルで参考記録でもない9秒99のれっきとしたアジア初の歴史的瞬間となりました。

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9秒99の記録を樹立した蘇炳添(中国)

 

アジアでは2007年にナイジェリア出身のサミュエル・フランシス(カタール)が始めて10秒の壁を突破しましたが、黄色人種ではなく身体的特徴から言ってそんなに大したニュースではありませんでした。今回は黄色人種というところで10秒を切るという偉業が日本ではなく中国が初ということで語り継がれてしまうという結果になったのです。

日本で期待がかかっていた桐生選手は2013年に10秒01をマークして以来、ここ数年足踏み状況が続いていましたが、その間に中国が一気に台頭してきました。

 

そこで今回はこの偉業を成し遂げた中国の「蘇炳添」にスポットを当ててみました。

彼は1989年の25歳、身長173センチと決して大きくはありませんが、2009年ごろから頭角をあらわしてきました。

生まれは広東省中山市郊外の田舎で生まれ育ちましたが、試合ともなるとその殺気立った性格が目立っていたようです。

中国で田舎というと決して裕福でない家庭が多く、そのハングリー精神は今の日本に足りない点でもあります。

当時は60㎡の室内でアジア大会優勝という結果より、スタートダッシュが爆発的なスピードを持っていることが推測できます。

その後はしばらくリレーの選手として様々な国際大会に出場しています。

100mで頭角をあらわしたのが2013年ですから、桐生選手と比較的時期が重なっています。彼の場合はそこから記録を伸ばし続け、2014年ではアジア大会で2位の記録を出しました。

そしてこのたび9秒99の大記録を打ち出したのです。

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今後アジア短距離界は中国が台頭するのか!?(左:山縣、右:蘇)

 

2013年ごろには既に日本の各陸上関係者は中国短距離界の脅威についていろいろな意見を発表しており、日本にも桐生や山縣といった若手が出てきたにもかかわらず、中国にやられてしまいました。

近年の中国は経済でもGDP世界第2位、アジア開発銀行の設立を提唱するなど様々な点で台頭していますが、国が豊かになるにつれスポーツ面でも充実した環境が整えられることが予測できることから、更に気が抜けない相手となりそうです。

今の中国には勢いがありスピードもあります。日本は脅威と捉えるのではなくよきライバルとして競り合って欲しいです。