アナログ24時

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大塚家具会長 娘は未だに反抗期 負けじと社長 親父は未だに石頭 ~あなたはどっち派?~

いよいよ明日に迫った大塚家具の株主総会

老舗企業なだけにニュースでも頻繁に取り上げられてきました。
日本の9割の企業が同族経営なだけに注目度はすごいですね。
 
昨日大株主のフランスベッドが会長支持を表明したことから一気に形成は会長側支持に傾いてきたのではないかと思います。
これまでの高級路線を貫く勝久会長、ニトリのような大衆路線を目指す久美子社長、経営的にも岐路となったこのタイミングに株主はどういうジャッジを下すのでしょうか。
 

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経営的に見た場合、市場を見渡すとどちらの戦略に利があるか。
社長が目指す低価格路線は既に「ニトリ」という家具のデフレパイオニアが市場を独占しています。類似して家具を含む雑貨の独自路線をゆく良品計画、これらのブランドに打ち勝つには相当な体力が必要です。
今やデフレ路線をゆく人気の企業は「ユニクロ」を初めとして各業界多数に存在します。これらの企業の共通点はいずれも近年にぐっと伸びてきた新興企業ばかりという点で老舗の大塚家具とは大きな違いがあります。
 
一方で今はかつての勢いはありませんが、老舗企業としての路線を貫き、既存の顧客を囲んで最低限の規模は堅持しようとしている企業もあります。今やテレビCMもみなくなりましたが、その代表例としてメガネの老舗「パリミキ」(名古屋以西はメガネの三城)があげられます。高度成長とともに高級メガネ路線でかつては大成功した企業で、額面50円の株が東証一部上場後、最高値1万2千円以上をつけたのです。しかしその後はデフレの波とともに売り上げを落として行き今や株価400円前後となっています。この間、この企業、当時はやりのワンプライスロープライスメガネ「オプトレーベル」を立ち上げましたが、路線が違うためノウハウも乏しくあえなく敗退、今では当時の面影は跡形もなくなりました。店舗数は一時は1000を超えるほどの成長しましたが、今では800店舗以下に、なおも毎年不採算店舗を閉鎖しているそうです。
ただし、そんな状況の中手を緩めず続けてきた従来の路線が花開いている一面もあるのです。そのひとつは、高級路線の競合、高島屋に入るメガネサロンの買収により今や全国の主要高島屋でミキブランドの店舗が見えるようになりました。そして同時期に投資し続けた世界各国へ積極展開が今や世界11か国で「パリミキ」の看板を見ることができるのです。特に中国市場では急激な成長により店舗数は150を超え、18Kメガネが爆売れする路線で成長をしているのです。

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大塚家具は上記と同じく高級路線老舗企業として古くからの顧客があります。
そういう意味ではそのグループのお客様と今後も付き合っていくためにはこれまで築いてきた路線を簡単に変更すべきでないかもしれません。日本国内だけでいけば市場は限られているかもしれませんが、今一度現行の路線を見直し、ある意味で新しい高級路線を築きなおせばよいのです。良いものが欲しい、というお客様は必ずいまでも存在する訳で、そのニーズに応えられるようになればかならず、かつての繁栄がもどってくるかもしれません。
社長の路線はたしかに現実的かもしれませんが、大塚ブランドを考えるうえで果たしてそのイメージ転換がお客様にすぐ浸透できるかといった問題があります。ロープライス路線を推進するということは同時に薄利多売化に転換するということであり、既存の得意客が離れてしまうかもしれない大きなリスクが出てくると思われます。
従来の顧客を大事にし、サービスと商品でワンランクを目指していくべきではないでしょうか。

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また、創業者である勝久会長があっての久美子社長。
親を立てるじゃないですが、築き上げてきた勝久会長が関わっている以上はその意見を尊重してはと思います。そして完全に久美子社長の時代になったときに自分が考える路線を進めばよいのです。
 
と、一応私も商売人なので、この企業のバックボーンより分析してみた結果です。
私自身は買い物をするとき、自分で勝手に選ぶよりも、じっくり店員と話をして、アドバイスを受けながら商品を選ぶほうが好きです。前者ですと、ネットショップで勝手に選んで買い物をすればよいのです。店舗を構える以上はその意味をしっかりとらえてほしいところです。なぜならば、それが、日本本来のサービス「お・も・て・な・し」が発揮できる舞台なのですから。