アナログ24時

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天文学者、ペルー在住の石塚睦さんから学んだ日本人像~こんなところに日本人~

今日は週末ということもあり、久々にテレビをのんびり見た。

おなじみの番組「こんなところに日本人」のスペシャル番組をやっていました。

この番組は実にくだらないバラエティ番組が増える中、世界の辺鄙なところに住んでいる日本人という変わった企画のバラエティ番組ですが、久々に人間性を垣間見ることができる番組だと感じました。

特に取材される人たちは率直に「お金」ではない地球規模の自然や人間性というものに対して率直に向き合っている点で大変勉強になります。

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    今のワンカイヨ宇宙電波観測所

そして今日のスペシャルの中で非常にインパクトを受けたのが、ペルーで天文学の父とよばれている「石塚睦」さんだ。こんな立派な方がこんなところにおられるとは全く知らなかったのですが、驚いたのは息子のホセさんは育ちがペルーだということだ。しっかりとした日本語を喋られ、完全な日本人なのにペルーでずっと育ってきたというのです。

この生活を目の当たりにしてホセさんの父、石塚睦さんは心底このペルーに天文学観測所を設立するということを人生の一大事業として志してきたのだと感じました。

 

石塚睦さんは中国で生まれ、京都大学を卒業、京都大学事業の一環としてペルーに派遣されてきたわけですが、観測所探しから資金集めまで、想像を絶する苦労をされたようです。今の私たちには考えられませんが、戦前の日本を経験していたからこそこんな過酷な環境にも耐えてやってこれたのではないかと推測しました。

もっとも驚いたのは、観測所探しに8年の歳月を費やし、ペルーに着いてから22年かけて1979年にコスモス太陽コロナ観測所を完成、それから9年後の1988年に観測を開始しました。しかし同年8月、ペルー反政府テロ組織に観測所を占拠され、観測所は同年10月に爆破され、石塚さん自身も同組織に命を狙われるという事態に陥ったのです。

それでもあきらめず、最終的にペルー国立プラネタリウム・国立イカ大学の太陽観測所・ワンカイヨ宇宙電波観測所・イカ教育天文台などの設立に尽力しました。

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     国立プラネタリウムには石塚さんの名前が刻まれている

とにかく夢をあきらめず、くらいついてきたその生き方には非常に感銘をうけ、1988年のコスモス観測所が爆破された時にはすでに58歳でした。そこから、一大発起し、さらに素晴らしい観測所を設立された芯の強さは見習わなければならない点です。

何一つ不便のない社会で当たり前に生き、当たり前に生活していることが実はとても幸せであり、同時にもっと意義を探した生き方をしなければもったいないことだと思いました。

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左:石塚睦さんと息子のホセさん

同時に、日本では定年前の年齢から本当の人生成果がでてきたということから、人間何歳になっても気持ちがあれば成功ができるという希望を与えていただきました。

さらに、その石塚睦さんの思いをきちんと息子のホセさんが受け継いでいる点がすばらしく、今の日本になくなりつつあるものが海外で見つけることができた心が満たされたひと時でした。